日本イラストレーター協会

朝日新聞社のポスターがIllustration誌に掲載されました

朝日新聞社ポスター

 掲載された媒体

日本イラストレーター協会でコーディネートした仕事が玄光社のIllustration誌に掲載されました。
2011年1月号 No.187 P.104 「Illustration Scene」というコーナーです。

 受注から納品までの流れ

急なお仕事で、お話を頂きイラストレーターから集めたタッチ見本をお送りして、それから受注することが決まり、打ち合わせをした時には残りが10日ほどしかありませんでした。
全部で21点です。
写実的なイラストですから、時間がかかります。
時間的にいくら急いでも一人あたり3点が限度だと思いました。
最初、応募のあったイラストレーターの中から7名をチョイスしました。
次にどのイラストをどのイラストレーターに描いてもらうかの割り振りです。
この作業はコーディネーターの実力が問われます。
この7名の中には経験不足のイラストレーターも数名いて、不安を感じましたので、応募者に含まれていなかったのですが、経験豊かな持塚さんに主要なイラスト3点をお願いすることにしました。
持塚さんには、大きく扱われるニジマス、ヤマメ、イワナを描いてもらうことにしました。
和田さんには一番大きく扱われるコイと、タッチ見本にあったトンボ2匹をお願いしました。
木嶋さんは自宅が遠いので、万一のことを考えて大きな扱いではないけれど、爬虫類の表現が上手いので、イモリ、カエル、ホタル、ゲンゴロウの4点をお願いしました。
熱帯魚などカラフルな魚をよく描いていた私はオイカワを担当しました。
その他の方達には経験と実力を考慮して、振り分けました。
最初に下絵を提出するのですが、経験の浅いイラストレーターにエビを1点お願いしたところ、下絵が上手く描けず、何度も描き直してもらい、ようやく仕上げてもらって提出したのですが、ボツになってしまいました。
仕方ないので、その時点で一番進行が早かった丸山さんに追加でお願いしました。
注意しなければいけない点は、スーパーリアルにならないよう、昔の図鑑風に仕上げるということでした。
両方とも同じ細密画ですが、スーパーリアルはエアーブラシなど使用して、ボカシが奇麗で、てかりが強調される特徴があります。
私は、てかりを強調しないでマットな仕上がりにして欲しいと各イラストレーターに伝えました。
タッチ見本も渡しましたので、当然手描きで描いてくれるものと想定していたのですが、和田さん、もりおさん、斉藤さんの3人がデジタルで仕上げてしまいました。
全てのタッチを統一しなければなりませんから、これには困りました。
和田さんには紙目を出して欲しいと伝えました。
もりおさんはデジタルで紙目が出せないようでしたので、一旦荒めの紙にプリントして、その上から加筆してもらいました。
斉藤さんはデジタルで紙目を出していましたが、パステルか色鉛筆のようなタッチでしたが、扱いがそれほど大きくなかったので、それほどタッチの違いは目立ちませんでした。
コーディネートさせて頂いた私自身、写実的なイラストを描いていますからどれくらいの手間ひまがかかるか分かりますが、自分で描いていないコーディネーターだったら、イラストレーターに無理をしいて、少ない人数でこなそうとしたでしょう。
その方がタッチを統一し易いし、コーディネートも楽だからです。
これほど短時間で見事に割り振り、8人のイラストレーターがタッチに統一感を持って仕上げたのは見事というしかありません。

 掲載された内容

駅に突然出現した魚や蛙等の日本原産の生き物達。
このポスターは「朝日地球環境フォーラム」の開催時期に合わせて制作され、同フォーラムの会場付近や六本木駅等に掲出された。
これは一人のイラストレーターではなく、総勢8名(木嶋俊、和田隆良、持塚進、蟹江隆広、丸山正仁、斉藤ヨーコ、もりおゆう、YUMIKO)が関わったプロジェクト。
制作を担当したタグボートの川口清勝さんは「目指したのは、繊細なタッチでありながらスーパーリアルとは一線を画すような、懐かしい雰囲気」と語る。

8名の合作とは思えない統一感のあるポスター。
掲載場所は六本木駅を中心とした都内駅各所、大阪や福岡。
掲出期間は9月13日〜1週間。

編集部より 竹内
生き物が大好きなので、、街に溢れる生き物の写真や絵に思わず目がいきます。
特に生き物の特徴をうまく捉えた作品を見たときは感動します。

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