日本イラストレーター協会

イラストレーター・オブ・ザ・イヤー2020

ジャンルを超えて2020年に最も活躍されたイラストレーターです。

上月 伸仁

【クライアント】
(株)学研プラス

【使用媒体】
学研の図鑑「スーパー戦隊」

【作品に関するコメント】
先年の、キン肉マン・超人図鑑の反響を受け、再び学研では中高年の購買層をターゲットとした図鑑制作への運びとなり、この「スーパー戦隊」図鑑のイラスト制作のご依頼から、メインのリアル画を担当させていただく事となりました。
スーパー戦隊は1975年より45回続きますシリーズ番組ですが、各年代ごとに登場する戦士の“名乗り”シーンでの決めポーズが、毎年の特徴になっております。
その戦士のポーズで絵を統一させるのがこの図鑑の見せ方とのことでしたが、300戦士の掲載へ向け適切な写真が出揃わないことから、写真と並べて遜色のないスーパーリアル・イラストの必然性が生じたことが、今回の私への仕事の結び付きと相成りました。
その写真テイストのリアルイラスト制作の一方で、項目「速さをくらべよう」の乗り物の見開きでは、昭和の乗り物図鑑の絵のテイストをご要望されるなど、同じリアル画の範疇でありながらも、描き味でリアル画を塗り分けるという事にもなりました。
結果、戦士など160点以上を描くこととなりましたが、中には手足やお腹が切れていて全身が写っていない写真へも、その箇所を私が描き足すことによって、完全なポーズを完結させるような場面も多くありました。
編集長からは「どこを描き足したものなのか、判別がつかない程の超絶リアルタッチでした」とのご評価も頂け、この度はイラストレーターとしての役割とミッションとを大いに果せることができ、濃い7か月間の仕事となりました。
(掲載のイラストは、すべて100%描き起こしたものです)

審査コメント


おめでとうございます。
写真の補完になるイラストの特色を遺憾なく発揮したお仕事かと思います。
リアルタッチの中で、人物やメカなど対象により画のテイストを変えて「対象物のリアル」を描き出しているところも、高い評価につながったのではないでしょうか。

葦原いるん


学研という大手の図鑑、そしてスーパー戦隊シリーズという、大人も子供も夢中になる物のイラストのリアル画を丁寧に手書きでこの数を書き上げたことは素晴らしいと思います。
イラストの技術としては素晴らしいです。

マユミ・ゴン・ノガミ


学研の揺るぎない図鑑シリーズに、「決めポーズ・カッコいいリアルイラスト」の集大成。
中高年者だけでなく、各世代、多くの人の目を惹きつけています。
素晴らしい以外に言葉がありません。
本当におめでとうございます。

内野 僚子


前回の超人図鑑で最優秀出版イラスト賞を受賞されましたが、好評で売れ行きが良かったから、今回のスーパー戦隊図鑑のお仕事を任されたというのは受賞理由の一つです。
160点以上と制作された点数も多いのに、これだけのクオリティーを保つというのは大変な作業だったと思います。
また昭和の乗り物の絵のテイストを求められたのは、普段ライフワークで昭和の街並みを描かれている上月さんにピッタリのお仕事であったと思います。

蟹江 隆広