審査員評

点描と線描で作品を制作されているようだが、表現の抑揚を感じないので、もし点描でしんどくなるようだったら、ペイントにしたほうがいいと思う。
ドローイングはペインティングに比べ準備や片付けが容易だ。その分、根気よく表現してもらいたい。

小林正直（二科会デザイン部会員）

中心に天体を描くことで、食物連鎖も悠久の時の流れの一環だということを思わせます。
ボタンの目を持ったぬいぐるみたちも、卓抜な描写力で息づいています。

田中淑恵（ブックデザイナー）

判り易い具象の事物を丹念に描き込みながらスポットを当てるように作家としての主張をグイと食い込ませる意志の強さが凡庸となる危険を回避させ非凡な世界を生みました。
画面に温度差が生じて思わず目を奪われます。
摩詞不思議な個性ここにありと思わせる魅惑の作です。

増本大二郎（二科会デザイン部会友）

パペットのキャラクターの表情と、動物のリアルな表情、手描き技術の高さが伺える作風です。
透明水彩での仕上げも美しく、プロフェッショナルとして申し分ない完成度の作品。
これからもイラストレーターとして活躍がんばってください。

山本さと子 （版画家）

点描は非常に根気が必要な作業です。
点の密度が足りないとどうしても平面的に見えてしまいます。
そういった意味では3番目の作品は点ではなく濃い線で濃淡を表現していますので、立体感が出せたと思います。

蟹江隆広（日本イラストレーター協会 会長）

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