イラストの公募展 "JIA Illustration Award 2019" の入選作品の発表です。
|受賞者一覧|
審査員は、アメリカのイラストレーターLisa Falkenstern氏、ポルトガルのアーティストJoao vaz de Carvalho氏、アメリカのイラストレーターGreg Paprocki氏、アートディレクター&
コンサルタント下山久美子氏、日本イラストレーター協会会長 蟹江隆広氏の計5名で構成しました。
各審査員に対して持ち点が与えられ、最もいいと思う作家1名に対して50ポイント、次にいいと思う作家3名に30ポイント、特に優れていると思う作家10名に10ポイント、優れていると思う作家30名に5ポイントを入れました。
5名の審査員が入れたポイントを合計して、獲得したポイント数が多い作家の順に各賞の受賞者を決めました。
The art is of such high caliber and so different it is almost impossible to pick one artist over another.
It is gratifying the see how illustration is still strong and thriving.
I would like to highlight the great diversity of works submitted to the competition.
Languages and techniques are very different and it is very interesting to see how different cultural media are reflected in the visual discourses of the artists.
I think these differences are very stimulating and enriching.
Overall, the quality of the proposals submitted is quite high and I must confess that the task of selecting the winning works was not easy at all.
I would like to say to unselected artists that these choices always involve some subjectivity and that they must persist in their work.
To the winners, I would like to congratulate them on their prizes.
Well done!
It was a delight to view the wide range of skills, techniques, and ideas submitted to this competition.
It was interesting to see the similarities and differences of art form around the world.
作品を通じて世界の様々な作家さんと出会うことができ、大変楽しく嬉しいです。
私は広告制作の現場で、デザイン、ディレクション、プランニングを担う業務が長かったので、様々なフリーランスの作家さんをクライアントの案件ごとに発掘してはアサインし、協業して参りました。
審査基準は審査員に任されていますので、せっかくですから実務経験を踏まえ商業利用として向いている作家さんかどうかも価基準に含んでいます。
プロとしてイラストを受注できるか否かは、技術や完成度はもちろんですが伝達力も必要です。
コンセプトやテーマ、世界観や空気感、そうしたものを作品を通じて、見る人(消費者)に伝えられるか。
共感される力があるかや、記憶に残る独自性も大事ですね。
そうした観点からも採点しましたので、私のポイントを入れた作品は、画力の有無に必ずしも左右されません。
意外と多かったのが、作者自身の内に秘めた重たい感情的なものを表現しようとする作品でした。
商業利用を考えると、そうした作品には高い得点を入れにくかったです。
(私が入れなくても他の方が技術評価をしてくれてるのでご安心ください)
受け取り手(見る人)を意識して、伝えたいものを表現しようとした作品は共感を呼びます。
どいういシーンなのか連想したり、想像力を掻き立てる絵は魅力的に映ります。
心に温かい何かを残します。
描画力が低くても、そうした力を秘めていると思った作家さんにポイントを入れています。
伝達するにも画力とは違う技術がいります。
配色を計算し、構図のもたらす効果を計算し、なんとなく省略するのではなく計算してデフォルメし、人物や動物の表情のある動きを計算する。
それらを考え抜いて細部まで手を抜かず描かれた作品は、見る人に伝える力が高いです。
プロに共通してることです。
現状すぐプロとして通用する人、プロへの才能を秘めている人、たくさんいました。
今後もぜひ頑張って欲しいです。
あと、高得点を狙いたい人へ、気づいたことを3つアドバイス。
(一審査員としての個人的見解です)
(1) 作風は統一した方が評価が割れないと思います。
様々なタッチや作風の違う作品で応募された場合、Aの作風は高得点をつけたいが、Bは評価ができないという場合、どう採点をするかは審査員の迷いどころで、人によって変わります。
(2) 量より質。
同じ作風でも明らかに力を抜いた作品や構図が悪い作品が混ざっていた場合、秀逸なメイン作品があるのに評価が落ちてしまう可能性があります。
複数出すとしても2~3点で力作を絞ってを出すのが良いと思います。
(3) 背景なしのカットイラストは、評価が低くなりがちです。
背景・構図があれば、世界観や表現力がグッと増します。
カットで出すより一枚絵として仕上げてあなたのストーリー性を審査員に見せつけましょう。
私の個別コメントに付きましは、皆様の今後の発展にお役に立てればと僭越ながらアドバイスも書いてますが、あくまで私の個人の見解なので、一意見として軽く受け止めていただければと。
入賞された方も、入賞に漏れてしまった方も、応募しそびれた方も、等しく皆様の今後の進化と躍進を願っております。
この度は審査員という貴重な機会をいただき 、ありがとうございました。
応募者数277名、作品数579点、昨年と同程度の応募数でした。
国別の応募者数は以下の通りです。
日本152人、台湾23人、中国13人、ロシア12人、アメリカ11人、香港9人、イタリア5人、韓国4人、マレーシア3人、フランス3人、イギリス3人、ウクライナ3人、イスラエル2人、アイルランド2人、オーストリア2人、スペイン2人、ポーランド2人、シンガポール2人、ベルギー1人、コロンビア1人、スペイン1人、ドイツ1人、ポーランド1人、スウェーデン1人、フィンランド1人、イラン1人、カザフスタン1人、コロンビア1人、チリ1人、フィンランド1人、マカオ1人、ドイツ1人、クロアチア1人、ブルガリア1人、フィリピン1人、エストニア1人、オーストラリア1人、チェコ3人、メキシコ2人、ポルトガル2人、ブラジル1人、デンマーク1人、スロベニア1人、タイ1人、リトアニア1人、インドネシア1人、シンガポール1人、ハンガリー1人、など非常に多くの国の方達からご応募いただきました。
国別の応募者数を昨年と比較しますと、昨年が27カ国から応募がありましたが、今年は47カ国と大幅に増えました。
ますます世界中から注目されるイラストレーションのコンペティションになってきましたので、このコンペで入賞するということは、世界中の方達から注目されるということです。
日本のイラストレーターにとっては世界に羽ばたくチャンスにもなるでしょうし、海外のイラストレーターにとっては日本の仕事を獲得するチャンスになるでしょう。
これからもますます日本と海外をつなぐ橋渡しができれば幸いです。
Lisa Falkenstern has been a professional illustrator for more than thirty years, during which she has painted almost a thousand book covers for most of the major publishers.
She is a Gold Medal winner from the N.Y. Society of Illustrators and has won many awards from such shows as the L.A. Society of Illustrators, 3x3 International, Creativity International, as well as being in the annuals of Spectrum, Creativity, Infected By Art and Print.
She has won multiple Best in Show awards at the N.J. Society of Children’s Book Writers and Illustrators and Jury Awards from the biennial Focus On Nature shows at the N.Y. State Museum.
Lisa is in the permanent collection of the N.Y. Society of Illustrators and the N.Y. State Museum.
Lisa has illustrated the picture books The Busy Tree, published by Marshall Cavendish and My Very Own Pirate Book, published by I See Me.
She is the author and illustrator of A Dragon Moves In, also published by Marshall Cavendish and Professor Whiskerton Presents Steampunk ABC, published by Two Lions.
Lisa is in a book about women fantasy painters, Women of Wonder, published by Underwood Books, and she is one of featured artists in Paperbacks from Hell, a book on the art of the horror paperbacks of the 70’s and 80’s, published by Quirk Books.
She paints in oils, acrylic and egg tempera and shows her magic realist art at the Gallery Piquel in New Hope, PA and Lambertville, NJ.
João Vaz de Carvalho is a portuguese artist.
Since 1987 he has worked with several art galleries, participated in numerous art fairs and prepared a large number of exhibitions.
Simultaneously, he has worked as a press illustrator for journals and magazines and he has illustrated many children’s books wich are published in several countries.
His work is marked by a very peculiar figurative language, appealing to memories and nonsense.
He has won many prizes all over the world.
In 1995 I graduated from the University of Nebraska, Lincoln with a Bachelor of Fine Arts.
From 1995 to 1998 I worked as a designer and art director at the University of Missouri-Kansas City.
In 1998 I used my design and illustration skills at the design shop Muller + Company in Kansas City, Missouri.
From 1998 to 1999 I worked as an art director at Ayers Advertising in Lincoln, Nebraska.
From 1999 to 2000 I worked as an art director for the advertising agency, Bozell Worldwide in Omaha, Nebraska.
From 2000 to 2001 I used my design and illustration skill for the boutique design shop, Archrival in Lincoln, Nebraska.
From 2001 to 2002 I freelanced as an illustrator in New York City for publishers such as Scholastic and Simon and Schuster.
From 2002 to present I’ve been working as a freelance artist from my home in Omaha, Nebraska.
During this time I’ve worked with severl hundred companies, such as Mattel, American Airlines, United Airlines, McDonalds, Walmart, Proctor and Gamble.
I've also worked heavily in the book publishing business illustrating over a hundred books.
I’ve worked with international publishers and have reached a world wide audience.
I also have my own line of ABC books with have sold over 250,000 books since their launch in 2016.
During my career I’ve been recognized numerous times.
During college I was awarded numerous scholarships and honors.
As a designer I was awarded multiple Addy Awards in the filed of Advertising.
I’ve also been pulbished in Graphis International Annual.
I’ve been honored with an Award of Excellence and published in the prestigious Communication Arts.
How magazine has published multiple stories about my knowledge and experience.
I’ve also been asked to be interviewed for multiple podcast focused on art and design.
下山久美子(複合ビジネスクリエイター&マーケティングコンサルタント)
東京下町生まれ。
現在はフリーランス。
園児から小学生まで8年間、体験型の絵画教室で油絵や水彩、工作、木工。。。うどん打ち、木登り、ケーキデコレーション?などを仕込まれる。
『既成概念を壊せ』という先生の教育方針は受け継いではいるが、ただ普通に楽しくて通う。
学生時代も美術は得意だったが『アフター5を満喫したいから美術系の職には就かない』という謎の信念があり、中高は普通の学生生活を過ごす。
いざ職を選ぶ機会が訪れた時、とある著者に押しかけ職場体験をしたのを機に、やはりデザインや企画の仕事が向いていると今更ながらに自覚し、女子美短大を卒後に、日本デザイナー学院でグラフィックを学ぶ。
社会人になってからは、転職を繰り返しながら、デザイナー、ディレクター、プランナー、プロジェクトマネージャーなどスキルアップしながら経験値を増していく。
印刷会社からスタートし、お菓子メーカ、デザイン事務所、広告プロダクションなど様々な企業に勤務し激務の日々。
趣味も仕事で、20代から副業やパラレルワークをし、自分の思い付きをプロジェクトとして実行することを楽しんだ。
結果的に、パンフやポスター、パッケージ、ノベルティー、キャラクター、着ぐるみ、展示会ブース、HP、キャンペーン企画、グッズ作成、動画など様々なものを企画&デザインできるようになる。
一貫して、大手企業、中企業のクライアンの直でのセールスプロモーションを仕事をしてきたので、マーケティングを体感や実践する機会が多く、おかげでマーケティング脳がしっかり形成されている。
近年、フリーランスになり、myミッションを『マーケティングの楽しさと実践力を広めたい』とセミナー、ワークショップを実施。
2019年年末には書籍出版予定。
私自身、雇われない自由な働き方を実践中なので、イラストレーターをはじめとする手に職系やフリーランスを応援している。
■活動用 myブランドサイト https://tion.tokyo/
■Instagram https://www.instagram.com/kumiko_shimoyama/
■Facebook https://www.facebook.com/shimoyama.kumiko.7
※インスタは無言フォロー歓迎ですが、FBは、申請時はメッセージ切望。
1977年 関西大学工学部を4年で中退後渡米、サンフランシスコで2年間遊学
1981年 東京デザイナー学院入学
1983年 レベル工房入社(エアーブラシの会社)
1985年 レベル工房退社後フリーのイラストレーターに
1987年 (株)シュガー入社(イラストの会社)
1987年 日刊工業新聞広告賞金賞受賞
1988年 日刊工業新聞広告賞金賞受賞
1989年 日刊工業新聞広告賞銀賞受賞
1989年 (株)シュガー退社後再びフリーに
1990年 (有)クレア設立(イラストの制作会社)後に(株)クレアに組織変更
1999年 日本イラストレーター協会設立
2004年 (株)クレアの代表取締役を降りる
2006年 200 Best Illustrators Worldwide 2006 選考委員
2007年 Society of illustrators U.S.A.会員に認定される
2007年 200 Best Illustrators Worldwide 07/08 選考委員
2008年 ZEN展(東京都立美術館)優秀賞受賞
2009年 200 Best Illustrators Worldwide 09/10 選考委員
2010年 200 Best Illustrators Worldwide 11/12 選考委員
2019年現在まで、プロのイラストレーターの団体の代表として数々の活動を主導
【主な仕事】
・ギャガコミュニケーションズ映画「エルム街の悪夢」ポスター
・JALパンフレット見開きイラスト多数
・三菱農機カレンダー用のイラスト6点
・JRパンフレット表1と表4
・セガ ゲームソフトパッケージ
・エニックスゲーム ソフトのポスターおよびパッケージ
・ドイツ「ラフェンスブルゲール社」ジグソーパズル2点
・セントラルホビー ジグソーパズル(海洋アート、スーパーマリオ、など多数)
・テンヨー ジグソーパズル(ディズニーなど多数)
・工学社「ウインドウズDTP」 表紙1年間12点
・単行本の表紙 多数
・科学雑誌ニュートン 見開きイラスト他多数
・CDジャケット
ランバダ他多数
・ガンダムシリーズのカード絵など 多数
他、広告分野や出版分野などで多数のイラストを手がける。
http://www.maroon.dti.ne.jp/kanie/
|受賞者一覧|