審査方法
審査員はデザイナー、染色作家、アーチスト、画家・オブジェ作家、そしてJIAの代表の5人で構成しました。
最優秀賞に相応しいと思う作家に対して5ポイント、優秀賞に相応しいと思う作家に4ポイント、ホルベイン賞に相応しいと思う作家に3ポイント、Best
in 賞に相応しいと思う作家に2ポイント、佳作に相応しいと思う作家に1ポイントづつ入れてもらいました。
最終的に5人の審査員のポイントを集計して、各賞を決定しました。
最優秀賞には13pt獲得した西岡良太さんが選ばれました。
優秀賞には11ptを獲得した羽尻利門さんが選ばれました。
ホルベイン賞には10ptを獲得した鶴川勝一さんが選ばれました。
9ptから7ptまでをBest in 賞に、6ptから3ptまでを佳作としました。
Bes in クラフト賞、Best in 3D-CG賞、ベスト・イン・メルヘンイラスト賞は7pt以上で該当する作品がありませんでした。
全体評
デザイナー 小金井 雅子
様々なタイプの作品があり、大変良かったと思います。
特にメルヘンやファンタジックな作品はストーリー性を感じるものが多く、その点は、そういったタイプの作品に限らず、人を引き付ける大切な要因であると感じました。
作者自身がどれだけ強くイメージをふくらませたか、というのが見るものへの印象の強さを決めていくのかも知れません。
モノクロの作品が以外と多くておどろきました。
しかし、その多くがモノクロでありながら色を感じさせ、世界観もしっかりしたものだったのはすばらしかったと思います。
染色作家 渡辺 新吉
何百という作品数を 限られた時間内で審査するコンペのような場では、一点一点じっくり鑑賞させていただくのは困難ですが、入選作はどれもコンポジションやリズム・トーンなど基本的骨格がしっかりしており、後にもう一度ゆっくり拝見しても(たぶん)判断は揺るがないと思います。
画材や技法など 多彩な作品が集まりました。それぞれこなれていて個性的。
願わくば、五感に直接訴えるような 質感・テクスチャーに もっとこだわっていただけたらと希望します。
構図や色彩以上に 最初に脳味噌に飛び込んでくる要素です。デコボコ ザラザラ ツルツル スベスベ 乾・湿 軟・硬… などですね。洋紙や和紙の種類 画布の目の選定は、作品のテイストの何割かを担っております。既存の画材以外の素材の使用も効果的。
次回も、独創的な作品との邂逅を期待しております。
アーチスト おじゃらりか
どの方も頑張っているなという感想で、気持ちが引き締まりました。
イラストの世界は、(絵画作成でも同じですが)上手ければい良いということでもありません。
作品が独自の世界であるか?作品を通して、何を伝えたいのか?依頼者の要望を満足す作品であり、かつ見た人の心を動かすのか?
考えることはたくさんありますし、するべきことも山積みです。
応募の注意点として、額装は審査の時に奥になりやすいですし、トレペの人は、ビニールのカバーか、ビニールのケースに入れる方が、キチッと細かい部分まで繰り返し見てもらえます。
カラーコピーの作品は、力のある原画と並べると見栄えが低いです。
こちらも一生懸命拝見致します。
どの方の作品にも夢がいっぱい詰まっています。
また来年も、良い作品に巡り合えますこと、楽しみにしております。
画家・オブジェ作家 青木 瑠璃
たくさんの作品の中から「選ぶ」ということは大変なことです。
それぞれの作品には思いがあります。
今回、技術的にまだと思われる作品は内容が良くても選考しませんでした。
技術力は訓練あるのみと思いますので、選ばれなかった中にも希望の持てる作品が多数あったことをここに記しておきます。
また「イラスト」としてどうかといった観点で選考いたしました。
イラストは商業と切り離す事は出来ませんので、あまりに私的なテーマは仕事として考えると難しいと思います。
選考の時は職業など見ずに選考しました。
良い作品に触れ、私もたくさんのエネルギーをいただきました。
ありがとうございました。
日本イラストレーター協会 理事長 蟹江 隆広
出品者数255人、出品作品総点数453点、昨年と比較すると出品作品は約2倍に増えました。
これは日本イラストレーター協会の主催するコンペということで、認知度が上がってきている為と思います。
出品作品が増えたことで、例年に比べ狭き門になりました。
255人中45人が入選ということは、約18%の入選率です。
最優秀賞が13ptということでポイント的には少し低いですが、全体の出品数の多さと全体的なレベルの高さを考慮して決めました。
出品作品が多かったので、審査に大変手間取りました。
大きな額装の作品は作業的にも大変です。
来年からは、作品サイズの上限を少し下げ、額装は禁止する方向で検討しています。
今年の審査員はマンネリを防ぐ為に一新しました。
選考する審査員によって全然違った作品が選ばれるのは興味深いことです。
今年は女性、作家タイプの審査員が多かったのが特徴です。
惜しくも入選を逃した作品の中にもプロのイラストレーターとして立派に通用するレベルの作品が多数ありました。
例年のことですが、1点のみの出品よりも複数出品する方が、その人の世界観が分かりやすく、受賞につながる確率が上がるように感じます。
このコンペは新人の登竜門であり、又まだ広く知られていない優秀なイラストレーターにスポットを当てる目的で、開催されています。
海外からの出品も何点かありましたが、まだまだ少ないです。
インターナショナルの名にふさわしく海外からの応募が増えていくことを期待しています。
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